大腸がんの症状
大腸がんの症状は、大腸の中で発症する部位によって異なりますが、腹部膨満感や腹痛、血便が頻繁に発生することが多く見られます。特に腸内出血による血便は最も多く見られる症状です。腹部にしこりを感じることもあります。
その他、便が細く排便後に残便感が残ることや、下痢や便秘を繰り返す症状が出ることもあり、また全身症状として貧血や体重の減少が見られることもあります。
大腸がんが進行すれば、合併症として腸閉塞が引き起こされることもあり、その場合は腸内の内容物が逆流して嘔吐が発生することもあります。
大腸がんの原因
大腸がんの原因には食生活が関係していると言われており、特の食の欧米化が大腸がんの発生に拍車をかけていると言われています。
食が欧米化することで、一般に食物繊維が不足しがちな食生活になります。食物繊維が不足すれば便秘になりやすくなり、便が腸内に長期間滞留することになります。
その結果、大腸への負担が大きくなり、がんを誘発しやすい腸内環境になります。そのため、便秘になりやすい女性は大腸がんの発生率が最も高いとう報告もあります。
その他、遺伝的要因も指摘されており、家族に大腸がんを発症した方がいれば、同一の家族内での大腸がん発症率が高くなるようです。
その他の後天的な要因としては内臓脂肪の増加や運動不足により動脈硬化が進むことでも大腸がんを誘発することが考えられており、糖尿病や潰瘍性大腸炎の罹患者も大腸がんへ至りやすいという報告もあります。
また、飲酒や喫煙もがん発生の一因として見られています。
大腸がんの治療法
大腸がんの治療法は、がんの進行度(ステージ)によって異なり、手術による外科療法、化学療法、放射線療法を中心に行われます。ステージと病変に応じて治療法を選択、組み合わせていきます。
最も多く採用される治療法が手術による外科治療です。開腹手術または腹腔鏡下手術により、がん組織を含めた腸管の一部を切除します。また、身体へ繋がるリンパ節も除去します。
化学療法では抗がん剤を用いて治療を行います。注射により静脈内へ投与するか、または経口投与になります。手術後に体内に残ったがん細胞に対しても有効です。
放射線療法では、がんが発生している箇所へ放射線を直接照射することで、がん細胞に損傷を与えて死滅させ、がんが増殖することを阻止します。