腎細胞がんの症状
腎細胞がんの症状は、初期の場合は自覚することがありませんが、がんが大きくなるに従い、体重の減少や食欲不振、貧血等の全身症状が発生してきます。腹部へしこりが出来ることや、腹痛、腹部膨満感を感じるケースも有ります。血尿が出る場合もあります。
また、腎細胞がんは血液を生成する作用に影響を与えるため、合併症として高血圧や高カルシウム血症、赤血球増加症が発生することもあります。
がんが骨転移すれば骨折や疼痛が発生し、肺へ転移すれば血痰が出てくるようになります。脳転移すればけいれんが起きるなど、転移先の臓器に応じて種々の症状が引き起こされます。
一般に、初期症状がないケースが多いため、健康診断や他の疾患の精密検査にて偶然発見されることがよく見られます。
腎細胞がんの原因
腎細胞がんの原因は、現在の医学ではまだ解明されていません。喫煙の習慣や、食生活において脂肪量過多である等、他のがんと同様のリスク要因が考えられています。疫学的にも肥満であれば腎細胞がんが発生する確率が高いことが報告されています。
腎細胞がんの治療法
腎細胞がんの治療法は、手術による外科治療が中心になります。手術により、腎臓組織の一部を摘出、または全摘出を行います。
腎細胞がんの診断では、超音波検査やCT検査、MIR等の画像診断による腫瘍の有無を確認します。がんをより正確に特定するために組織の一部を採取する生検が行われることもあります。 血管造影による診断もありますが、近年では特定の治療法を採用する際に行われます。
手術で腎臓を摘出した後は、状況に応じてインターフェロン療法を補助的療法として行います。インターフェロンα(IFN-α)やインターロイキン2(IL-2)と呼ばれる薬剤を使用します。
インターフェロン療法は免疫療法とも呼ばれ、リンパ球をはじめとした免疫細胞を活性化させることができ、がん細胞の破壊を間接的に助長させます。また、インターフェロン自体もがん細胞に有効であるとも考えられています。
手術以外の方法では、カテーテルを使用した腎動脈塞栓術と呼ばれる方法が採用されることもあります。腎動脈塞栓術では、意図的に動脈を塞ぐことで腫瘍への栄養補給を妨げ、がん細胞の発育を阻止します。
なお、他のがんとは異なり、抗がん剤による化学療法や放射線治療は、腎細胞がんにはあまり有効ではないことが分かっています。